荒川弘おすすめの漫画ランキング

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荒川弘おすすめの漫画ランキング

巻末の4コマが非常にユーモアあふれ、自身の体験談が非常に強く、勢いよくさらけ出している姿勢が非常に好きです。漫画も線に強弱があり、生き生きとしたキャラクターが紙面いっぱいに広がり、読むたびに別のキャラクターが気になる作品ばかりです。荒川弘さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第5位.荒川弘「獣神演武」

荒川弘「獣神演武」がおすすめの理由

原作は黄金周が担当しており、ストーリー自体は王道ストーリーとして展開していきます。しかし、絵の迫力、特に筋肉は言わずもがな素晴らしい迫力になっています。全5巻と求めやすい巻数で完結しているため、気になった時に気軽に読むことが出来るのが非常にいいです。元々はアニメ化を想定していたからか、動きのある画面が多く、迫力があり、一枚絵としてもかっこいいページが多いです。三国志の同人活動からスタートしたということで、昔の中国を背景とした作品で、服装や背景等もイメージのまま読むことが出来ます。話の始めの方はのんびりとしたいわばキャラクター紹介や背景を埋めていく流れですが、後半になると一転、戦闘の勢いがすごいです。その速度の差が、ギャップもあり爽快感のある読みごたえに繋がっていると思います。出てくる女の子キャラクターも、いわゆる精神的に成熟しているいい女で主人公の支えになっているところがかっこいいです。世界を救う、をテーマに始まったストーリーですが、最終的に自分の世界、家族を救うという終わり方になっていてほっこりします。

 

 

第4位.荒川弘「アルスラーン戦記」

荒川弘「アルスラーン戦記」がおすすめの理由

元々は全16巻にわたる仮想中国歴史小説があり、それを荒川弘が漫画化している作品です。コミックは現在連載中で、2019年5月時点で11巻まで発売しています。小説だと4巻の途中というところからも分かる通り、かなりボリュームのある作品です。心優しい線の細い王太子の主人公が、武勇で国を反映させてきた王から見下されながらも臣下から慕われて、兵力を集めて国の力になるように東奔西走します。兵がどれくらい強いかを作中で表現されていますが、その表現が面白く、ありえないと最初は思うのですが、大迫力の戦闘でその強さが誇張ではないということをスカッと描いていてとても面白いです。軍団がずらっと平野に並んだ姿を描いたページは壮観です。主人公は王太子の通り男子ですが、線の細さと髪が長く母親に似て美しい顔立ちをしているため、漫画内でもネタとして女子扱いされているところがコメディタッチで描かれていて、自分でネタにしていく荒川弘の面白さが出ているな、と思いました。主人公を慕い臣下として配下に加わっていくキャラクターは誰もが強烈なキャラ立ちをしているにも拘わらず、それが物語の進行に強く関係しているため、そのキャラ付けの裏があることがよくわかるのが素晴らしいです。

 

 

第3位.荒川弘「銀の匙 Silver Spoon」

荒川弘「銀の匙 Silver Spoon」がおすすめの理由

勉学に疲弊した主人公が、中学の先生に勧められた農業高校進学を機に、将来へのビジョンを持ち、夢を追いかける成長ストーリーです。不定期連載中で2019年5月現在は14巻まで発売しています。成長ストーリーとはありますが、リアルな将来の悩みがテーマになっているため、それぞれ悩むキャラクターの話が非常に重く感じます。しかし、周りの仲間たちの意見や物語が進むにつれ発生する現象で解決したり、夢を諦めたり、色んな人生を高校生が歩んでいます。荒川弘の体験談を元に学校を書いているということで、リアリティとコメディが融合して、実際にはもっと大変だっただろうに、漫画として読みやすくまとめられているのがすごいです。周りは農家ばかりで、親がサラリーマンの主人公は珍しく、周りとの反応の差が主人公にも、主人公の周りにもそれぞれ影響しあって、変化していきます。主人公は受験勉強から逃げたという負い目から、色々なことを諦めることもありましたが、実家の事情という高校生の身ではどうしようもない荒波によって、諦めざるを得なくなってしまったキャラクターを見て、ただ諦めるだけではなくやってみよう、という前向きな気持ちを持つことが出来ます。主人公の成長が著しく、失敗をしつつもそれを補うために何が出来るかと常に考えているので、読んでいると力が入ります。

 

 

第2位.荒川弘「百姓貴族」

荒川弘「百姓貴族」がおすすめの理由

荒川弘の実体験に基づく、農家エッセイです。荒川弘の自画像が牛ということで、家族も全員牛として描かれています。傷やらリボン、牛の柄等でそれぞれのキャラクターを表しています。同時期に農家の出てくる『銀の匙』を連載していたため、所々話題が似ているところもあります。農家に生まれ、漫画家になり上京するまで関わってきた荒川弘の体験が面白く、時に辛い話で描かれています。特に、お父さんの逸話が大量にあり、荒川弘の漫画に出てくるタフさや、本人の仕事への熱意と重なるところがあります。牛や猫、犬、リス、熊等多くの動物の農家への影響や被害が書かれており、共存と敵対と趣深いです。周りの農家との協力によって成り立っていることが書かれており、人との仲の良さが書かれていると思いきや、一転して肉の取り合いのバトルが始まったりと、独特のテンポで読んでいて飽きません。農家エッセイということで、メインはやはり北海道現地の家族を元に話が進んでいきますが、農家について詳しくない担当との掛け合いで、農家と一般人の認識の違いを分かりやすくまとめているのも、非常にためになります。

 

 

第1位.荒川弘「鋼の錬金術師」

荒川弘「鋼の錬金術師」がおすすめの理由

全27巻で完結した、ダークファンタジーです。錬金術が使える設定の架空のファンタジー世界を舞台に、主人公が旅をしながら失ったものを探す旅をしています。荒川弘の初めての連載で、大ヒットした言わずと知れた名作と名高い作品です。主人公は天才型ですが、努力も同時に惜しまず、難関の国家資格を最年少で取得し、レベルとしてはほとんどMAX状態です。主人公は兄弟で旅をしながら訪れる街で事件を起こし、解決していくという、とある人からは悪者扱い、はたまた違う人からは救世主と呼ばれる、人生割り切ったようなキャラクターです。少年誌で取り上げるには重い、人間とは一体何か、生と死とは何かというテーマにも関わらず、最後まで面白さで読めてしまい、かつ心に気になる点を残していく作品です。作中に出る女性キャラクターは、大体尻に敷くタイプの強気な性格が多いのですが、それが関わった周りの支えとなり、広がっていきます。どのキャラクターも主人公として別の物語が書けるほど設定が多く、スピンオフが無いのが不思議なくらいです。少年漫画の戦闘シーン、筋肉が好きな人には是非とも一度読んでみてほしいです。

 

 

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