浅田次郎おすすめ作品ランキングTOP7

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浅田次郎おすすめ作品ランキングTOP7

勿論一番好きなのは、作品そのものに迸る優しさや温かさ、そして厳しさなどです。心にしみるような、優しく突き刺さるような、様々な表現法も素晴らしです。また、何人もの人格が頭の中にいらっしゃるのかと感じるほどキャラクターの描写が豊かで、この方の爪の垢を煎じて飲みたいと、何度思ったか知れません。浅田次郎さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.浅田次郎「椿山課長の七日間」」

浅田次郎「椿山課長の七日間」」がおすすめの理由

浅田次郎の現代劇にはコミカルなものが多いように思われますが、初盤は笑わせてくれても最後には大号泣させてくれるという、典型的な作品だと思います。ある日突然亡くなってしまった40代の椿山課長。仕事のこと、家庭のこと、様々思いの残すことがあり、現世に一週間だけ戻れる契約をします。ただ全くの他人として。そこで生前知らされなかった事実の次々と対面し、彼はどう決意するのか…。椿山課長の他にも、交通事故で死んだ少年、抗争で間違って殺されてしまったヤクザの組員などが椿山と一緒に現世に戻り、それぞれの現実を目の当たりにします。そしてそれぞれが迎えるラストが切なくて、最後の数ページは涙が止まりませんでした。浅田次郎=時代劇と思い込んでらっしゃる方に、是非ともお勧めしたい作品です。私はあの方はどちらかと言うと現代劇のほうが好きです。

 

 

第6位.浅田次郎「獅子吼」

浅田次郎「獅子吼」がおすすめの理由

浅田次郎は現代劇も時代劇も書かれますが、そのどちらも楽しみたいと思われている方に是非お勧めしたい短編集です。表題作「獅子吼」は戦争中の動物園が舞台です。主人公は檻の中のライオンです。動物園の動物たちを餓死させる政策が当時取られていたのはご存知のことと思います。そのライオンが、朦朧とする意識の中で、それまでの人生や時折内緒で食べ物を運んできてくれる人間などに思いをはせるのには、本当に心打たれます。浅田先生には動物の心も判るのかと感動しました。また、表題作以外には「ブルーブルースカイ」が好きです。アメリカの片田舎のスーパーで、言葉の通じない客、強盗、たまたま居合わせた少年の三人の目から同じ場面が語られるという、とても面白い構想になっています。浅田次郎ってどんな作家?って思ってる方に是非読んでいただきたいです。

 

 

第5位.浅田次郎「わが心のジェニファー」

浅田次郎「わが心のジェニファー」がおすすめの理由

それまで様々な浅田作品を読んできたつもりですが、正直この作品には驚きました。現代劇なのですが主人公はアメリカ人の青年なのです。青年が日本に旅行をして、その先々で恋人のジェニファーに手紙を送るという内容なのですが、浅田先生は実はアメリカ人なんじゃないかと思うほど青年の心理描写のに説得力があって、語彙力不足承知で表現すると「なんじゃこりゃぁぁっ?!」って思いました。勿論それだけではなく、旅が進むにつれて青年の過去が明らかになる過程も素晴らしかったです。そしてラスト、どうしてジェニファーが「あなたは日本を旅するべきよ」と彼に言ったのかその理由が明らかになった瞬間、もう涙が止まらなくなりました。浅田作品の中でもかなり異色だと思います。でも絶対に飽きない展開なので、様々な年代の方に読んでいただきたい作品です。

 

 

第4位.浅田次郎「おもかげ」

浅田次郎「おもかげ」がおすすめの理由

浅田次郎は「平成の泣かせ屋」と呼ばれています。それを体現した作品が、本作ではないかと私は考えています。突然倒れて運び込まれた主人公。彼自身には家族はありますが、彼は家族を持たずに生まれてきました。病院で意識を取り戻した彼は、ベッドの横に見知らぬ老女が立っているのに気づきます。幽体離脱状態で老女と外に出た彼は、走馬灯のように自分の過去と向き合います。昭和後期に生まれた私には想像もつかない苦しみや悲しみを経験してきた主人公や老女の話は、時に目を背けたくなるような、そんな挿話も多いです。主人公も当初は「生きて行こう」ではなく「生きている」という感覚でいたように思われます。それがラストを迎え、「生きて行こう」になった瞬間、涙が滝のように流れてどうにもすることができなくまりました。人間は、愛されていることでかわれるんですね。

 

 

第3位.浅田次郎「地下鉄に乗って」

浅田次郎「地下鉄に乗って」がおすすめの理由

「地下鉄に乗って」は切ないラブストーリーであり、家族の物語であり、浅田先生のエッセンスがぎゅっと詰まったような作品だと思います。主人公の男と女は不倫の関係にあります。二人は夢の中でお同じ場面に互いが登場する不思議な体験を何度もします。そうしているうちに、主人公の男の過去、彼の父親の過去、自殺した兄の真相、など、自分の家族にまつわることを次々と目の当たりにします。そして男と女は、自分たちの秘められた関係を知ることになるのですが…。私がこの小説から一番感じ取ったのは「女の強さ、しなやかさ」です。愛する者のためならどんなことでもできるという、この作品に登場する女性たちの言葉が忘れられません。私もそんな女性になりたかったと、この作品を思い出しては涙ぐみます。浅田作品でも初期のものなので、古本屋さんで探してみてください。

 

 

第2位.浅田次郎「プリズンホテル」

浅田次郎「プリズンホテル」がおすすめの理由

この作品は、私が浅田作品に出会った初期の頃に読んだものです。私は当時妊娠中で、つわりがひどくてどこにも出かけることができず、仕方なく本でも読もう、と思って求めたのがこの本でした。内容の重たい本は読みたくないな、楽しくて笑えるものにしたいな、そう思ってタイトルを見て「ん?これはどういうことだ?」と思いました。早速全巻買い、全巻一気に読破しましした。ヤクザが経営するホテル、唯一の堅気は支配人、常宿にしている極道小説家、どの設定もいちいち面白くて、つわり中なのにクスクスが収まりませんでした。でもそれだけじゃないのが素晴らしいところ。ラストは人情味あふれる家族の物語へとつないでくれていて、温かい心になれました。この作品を早いうちに知ることができて幸せです。浅田次郎って、難しくないんだよー、って多くの方に教えたいです。

 

 

第1位.浅田次郎「鉄道員(ぽっぽや)」

浅田次郎「鉄道員(ぽっぽや)」がおすすめの理由

「鉄道員(ぽっぽや)」は、浅田作品の中でも一番知名度が高いのではないかと思います。作品が多く映像化されている中、主演は高倉健と広末涼子。知名度低いわけがありません。私も泣きました。ラストはただ涙が止まらなくてページが読めなくなったほどです。しかし私はこの短編集の中で一番好きなのは「ラブ・レター」という作品です。主人公は出所したばかりの元ヤクザ。彼は「妻からの手紙」の束を渡されます。それはかつて、組織売春の為に偽装結婚した異国の女からのもので、彼は会ったこともありません。でも手紙には、彼への感謝の言葉で溢れ返っているのです「あたしとけっこんしてくれてありがとう」と。その手紙を胸に、主人公が何を思うのか…是非多くの皆さんに実際に読んで感じていただきたいです。「鉄道員」単体でしたら児童用小説にもなっているので、お子さんと是非読んでみてください。

 

 

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