池田理代子おすすめの漫画ランキング

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池田理代子おすすめの漫画ランキング

絵柄が、大変豪華で、耽美主義ともいえる漫画家です。キャラクターの描き分けもきちんとされており、ストーリーテラーもしっかりしてしています。私の好きな歴史をモチーフとした物語も多くとても興味深いものがあります。池田理代子さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第5位.池田理代子「クローディーヌ…!」

池田理代子「クローディヌ…!」がおすすめの理由

現代、良く叫ばれているLGBTに深くかかわる物語です。まだ、この漫画が描かれた1970年代では、声を大きくできる問題ではなかった時期にこのような題材で少女漫画に出稿させたのはとても、画期的なことなのではないでしょうか。男性の心を持った、女性クローディヌの男性としての恋愛遍歴が心理の細かな描写とともに生々しく表現されています。差別と偏見にさいなまれがちな存在である彼女は心と体のギャップと、上手くいかない自分の生きざまに非常に苦しみます。そして、自分の父の異常性愛にどうやらその原因はあることを、彼女(彼)は気が付くのですが、もう、クローディヌにバラバラに砕けた心を元に戻す力はないようです。だれよりも、美しく聡明で、気高く生まれついた彼女の泥沼を歩いているような人生と心理を思いやると胸に詰まるものがあります。一人だけ、冒頭に出てくる精神科医だけが、モノローグのようにクローディヌの心を客観的にナレーションしていますが、ただただ、空しいです。パリの陰鬱な風景と重厚感のある屋敷内の光景が彼女の心のありようを如実に表しており、哲学的でもあります。

 

 

第4位.池田理代子「ズライカ」

池田理代子「ズライカ」がおすすめの理由

第一次世界大戦のころの、ドイツで育った若者たちの青春・恋物語という普遍的なお話ではあります。細く淡い線で描かれた少女マリアンネ・ブルーメをゲーテの恋人にちなんでズライカと呼んで二人の少年たちと戯れているシーンがとても抒情的で一幅の絵を見ているようにきれいです。天使がいるとしたら、彼らのことでしょう。どんどん大人の女性になって美しくなっていくズライカを親友のカールにとられてしまったコンラートの嫉妬にあふれる言動や行動にはハラハラさせられますが、当のズライカはあくまで、そっと微笑んでいるだけなのが、幻想的でもあり少し薄気味悪くもあります。カールが亡くなった後もズライカの表情は悲しみつつも取り立てて変化はありません。ズライカの心の機微が分からないところが、深層的でもあります。母となったズライカは柔らかな母性も加わり、一層素敵です。一途にズライカを愛しているコンラートも大人の男の魅力を増していきます。ズライカが本当に愛していたのは誰なのか、彼女の淑女性と娼婦性という相反した心理が理解に苦しみつつも、美しい物語です。

 

 

第3位.池田理代子「おにいさまへ」

池田理代子「おにいさまへ」がおすすめの理由

晴れて名門女子高に通学することになった、御苑生奈々子というあまりに普通な目立つところのない女子高生が遭遇していく、陰湿ともいえる女子高独特の日常を舞台とした話ではありますが、登場人物が大変、個性的な人間ばかりということが、興味をひかれます。また、この作者の耽美主義がうかがわれ、眺めているだけでもうっとりさせられる美少女ばかりのキャスティングです。上流の息女ばかりの学園とはいえ、複雑な家庭環境や人間関係を背負い、屈折したキャラクターの女性ばかりではありますが、みなどこかに純粋さを持っていることが感じられます。虚飾やうわべで取り繕っていても、心は子犬のようです。通学に着用している彼女らの服装やアクセサリーも素敵で1970年代の流行をたくみに取り入れつつ上品なデザインのドレスばかりで、アンティークを見ているような懐古な気持ちも味わうことができます。女子学生たちの言葉遣いも独特で、貴族的な学園の有体が、非現実的でもありますが、あこがれてしまうストーリーで、暗く陰惨な部分もありますが、最後まで、品が良く後味がとてもきれいな作品です。

 

 

第2位.池田理代子「オルフェウスの窓」

池田理代子「オルフェウスの窓」がおすすめの理由

ドイツ、レーゲンスブルクの有名な大物貴族であり資産家であった、アーレンスマイヤ家の愛人の娘であったユリウスが母の財産奪取計画のために男の子として、育てられるという一見ミステリー小説のような初巻の印象ではありましたが、これが壮大なスぺクタルに広がっていきます。オムニバス形式で展開していく、珍しい型の少女・女性漫画です。最終的にはロシア革命が中核となる話ではありますが、人間関係が、すべて一点につながっていくという遠近法のような漫画でもあります。オルフェウスの窓にかかわる伝説とアーレンスマイヤ家に隠された壮大な闇が複雑にからまっていき、事態はどのようにすすんでいくのか、読者に見当をつけさせません。読み進めていくごとに、一人一人と登場人物は悲惨な亡くなり方をしていく、非情なシーンも多いです。ただひとつだけ癒されるのは、主人公ユリウスが女性として、ロシアに最愛の人クラウス(アレクセイ)を追い、艱難辛苦を乗り越え、二人が結ばれ、一緒に暮らしていく数少ないシーンです。また、この漫画は女性陣の美しさもさることながら、男性も恐ろしいほどに美男がそろっているところも、見所です。外観だけではなく、生き様も大変魅力的であり、女であれば是非とも一生に一度は遭遇したい男性ばかりでもあります。

 

 

第1位.池田理代子「ベルサイユのばら」

池田理代子「ベルサイユのばら」がおすすめの理由

数十年前に発刊された作者池田理代子としては、初期に描かれた漫画で、初巻から最終巻までのながれのなかで、絵柄が大きく変化していることも面白いです。フランス革命を背景にした歴史漫画であり、少女漫画のジャンルとしては当時としてはかなり革新的なものでした。歴史にはなるべく忠実に話の展開もされていることも、興味深いです。ただ、一人実在しない主要人物として、オスカル・フランソワの存在で、この物語は一層華やかなものになったでしょう。このベルサイユのばらが、今の時代にまで有名であり続けるのも、彼女の功績は非常に大きいと思われます。当時のフランス宮廷の人々たちがどのように考え、どのような人生の選択をしていったのか、心の動きや行動にリアルなものを感じさせ読んでいるものにとって、期待感が湧き上がってきます。貴婦人たちのファッションや日々の過ごし方、所作や振る舞いなど、特に女性であれば一度は、覗いてみたい世界であることはまちがいありません。王妃であったマリー・アントワネットに関しては、かなり詳細な研究がされたうえで物語に登場していると感じられます。読み応えのある作品です。

 

 

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