東野圭吾おすすめ作品ランキングTOP7
ジャンルが幅広く、ヒューマン系・スポーツ系・ファンタジー系・ミステリー系となんでも書いていてすごいと思います。私が一番好きなのはミステリー系になりますが、一つ一つしっかりまとめ上げていて、呼んだ後に余韻を残すような物語が多いので、愛読しています。東野圭吾さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。
第7位.東野圭吾「プラチナデータ」
東野圭吾「プラチナデータ」がおすすめの理由
映画化もされた作品です。とてもスリリングなストーリーで一気に読んでしまいました。時はDNAでさまざまな事件を解決できるようになった未来で、主人公は、DNA検索を担当する神楽龍平。龍平は二重人格を抱えており、もう1人の人格「リュウ」が出てきている時は記憶がありません。DNA登録は時として該当者なしとなってしまうことがあり、それをNFと呼んでいました。ある日、女性が連続で殺害される事件が発生し、体内に残された体液をDNA検索したところ、NFとなってしまいます。DNAシステムを作った担当者・蓼科兄妹は実は、一部の権力者だけはNFとなるよう仕組んで作っていました。そして、その一部の権力者のデータはプラチナデータと呼ばれていました。しかし、その腐敗したシステムに対し、罪悪感を持っていた兄妹は対抗するプログラムを作っていました。そのために、殺害されてしまうのです。龍平は、蓼科兄妹の殺人に関する容疑者となってしまいます。もしかしたら、リュウが犯しているのかもしれない…と龍平は考えます。その謎を解くために逃走しつつ真実に近づいていくと、衝撃の真犯人に結びつきます。話の中身というよりはスピード感あふれる展開を楽しめる、東野圭吾作品の初心者向けの作品だと思いました。
第6位.東野圭吾「白夜行」
東野圭吾「白夜行」がおすすめの理由
第一印象は分厚いなぁ、と思った記憶があります。が、読み始めると、長さはまったく気にならない不思議な本です。どんどん引き込まれる、東野圭吾の代表作の1つです。ストーリーは母親に売られる雪穂と、雪穂を買った男を父に持つ亮司が犯した殺人(亮司が雪穂を助けるために父を殺してしまう)から始まります。とても辛い話なのですが、ある意味純愛で、2人は秘密を共有しつつ、恋人のような同士のような、切っても切れない縁で繋がれていきます。亮司は雪穂を幸せにすることを生きがいに、闇社会で生きていきます。雪穂は、そんな亮司の願いを叶えるために、幸せをつかもうとします。しかし、刑事はそんな2人を追い詰めていきます。亮司は雪穂を守るため、刑事の目の前で死んでいきます。雪穂はそんな亮司を置いて、去っていくのでした。雪穂の「亮司の願いを叶える」という強烈な決意が感じられ、凄みすら感じるラストでした。雪穂は最後の最後まで亮司との約束「幸せになる」ことを手放さなかったのです。この本では殺人者である亮司の立場がいい人なのか悪い人なのか、殺人者の境遇にも焦点が当たっていて興味深いと思います。
第5位.東野圭吾「人魚の眠る家」
東野圭吾「人魚の眠る家」がおすすめの理由
本作は脳死という重いテーマを取り上げています。主人公・薫子の最愛の娘がプールの事故で脳死状態となってしまいます。脳死判定中に反応したことから、脳死を受け入れられず、家に連れて帰ることにする薫子と、その家族の苦悩や葛藤を描いています。映画にもなったので、知っている人も多いかもしれません。個人的には、脳死を死とイコールに考える今の制度も倫理的にどうかな?と思う部分もあります。読んだ人それぞれが脳死を取り巻く環境について考える機会をもつことになる本だと思います。最後は、娘・瑞穂が夢か幻か、薫子のもとに現れ、別れと感謝を告げて消えます。それと同時に薫子も瑞穂の本当の死を認めることができ、脳死判定を受けるのです。脳死判定を受けた瑞穂の心臓はある少年のもとに移植され、生き続けることになります。脳死により、瑞穂は死んでしまったけど、心臓はちゃんとどこかで生きている。それが薫子や家族にとってもの救いになってほしいなと思わずにはいられない切ないラストでした。
第4位.東野圭吾「秘密」
東野圭吾「秘密」がおすすめの理由
ある秘密を抱える家族を描く感動作です。ある日、事故に妻と娘が巻き込まれ、妻は死亡、娘は一命を取り留めます。しかし、娘は心が妻となっていました。主人公の平介は戸惑いながらも見た目は娘・藻奈美、心は妻・直子と暮らし始めます。藻奈美として生きていくしかない直子とそれを見守るしかない平介…。しばらく暮らしていくうちに、直子と藻奈美の人格が入れ替わっている時間があることに気づきます。そして、その時間はだんだん長くなり、ついに直子の人格は消えてしまいます。藻奈美は藻奈美として生き、恋をし、結婚することになります。平介はそしてあることにきづくのです。それは、直子は平介のためにも波を演じ切ったということです。平介が前を向いて生きていくために、徐々に自分が消えていくように見せかけたのでした。それを知った平介は涙するのでした。直子が家族のために、愛する人のために秘密を守り抜く姿は本当に感動しました。
第3位.東野圭吾「赤い指」
東野圭吾「赤い指」がおすすめの理由
中学生の息子・直巳が犯した殺人を隠蔽し、認知症を患っている母・政恵に罪をなすりつけようとする恐ろしい息子(前原昭夫)一家の犯行。しかし、素人であり、突発的に起こった事件のため、すぐに警察は前原家を怪しみ始めます。実は、政恵は認知症のふりをしているだけであり、犯人が直巳であることは承知しています。認知症を演じているのは、家族の中に自分の居場所が無いため、空気のように過ごすにはそれしかなかっただけです。そして、政恵はついに逮捕されそうになってしまいます。その時、政恵が手にしていたのは昭夫が小学生時代に作った名札をつけた杖。そんな昔のものを大切にしている母を見て、昭夫は崩れ落ちます。この本は、母が息子に対する愛をテーマにしているように感じます。形は違えど、直巳を守るために政恵に罪を着せようとした八重子もそうです。母は息子を愛し、息子が幸せになるなら犠牲も厭わない、そんな姿を感じました。同時に、罪を罪として受け入れ、反省を促すのも親の務めであり愛です。政恵が訴えたかったのは正しくあるべき、ということだったのかもしれません。
第2位.東野圭吾「手紙」
東野圭吾「手紙」がおすすめの理由
兄が強盗には入り、たまたま居合わせてしまった住人を殺してしまいます。主人公はそんな兄を持つ弟・直貴です。犯罪加害者の親族の置かれる立場や気持などを丁寧に描いています。社会的にも加害者家族への救済は追いついておらず、とても考えさせられる一冊となっています。もちろん、被害者家族も守られるべきですが、この辺りは人間感情もあるため、とても難しい問題となっています。そんな難しい立場となってしまった直貴のもとに、服役中の兄から月に一度だけ手紙が届きます。直貴はどこに引っ越してもすぐにバレる加害者家族のレッテルに苦しんでおり、手紙もだんだん憎くなってしまいます。直貴は由美子と出会い結婚し、娘が生まれます。この幸せを守るために、直貴は兄に向けて絶縁の手紙を書くのです。ラストは、絶縁した後、慰問に訪れるシーンです。手紙を通じ、変わっていく関係と未来を信じて、希望はまだ見えないけれど、心が温かくなる素晴らしい結末だと思いました。
第1位.東野圭吾「夢幻花」
東野圭吾「夢幻花」がおすすめの理由
幻の黄色い朝顔を中心に起こる、世代を超えた事件を描いています。東野圭吾らしい、意外な展開にハラハラさせられながら一気に読めてしまうほどリズム感がよく、お気に入りの一冊になりました。黄色い朝顔は存在しないとされていましたが、実は江戸時代に開発されていました。しかし、幻覚作用があったため、世に広まらないように管理されてきたのです。それが、主人公の1人・蒼太の兄でした。もう1人の主人公は水泳選手の梨乃です。2人はそれぞれ問題を抱えながら出会い、黄色い朝顔を中心とした殺人事件に絡んでいきます。偶然もあり、犯人に行き着きますが、その正体も悲しいです。事件そのものも黄色い朝顔の幻覚が起こしたようなものだからです。最後は、蒼太は投げやりになっていた将来をきちんと見据え、原子力の道へ、梨乃は諦めかけていた水泳にもう一度挑戦する道を選び、前を向いていくまでを描いています。最後まですっきり、気持ちよく読める最高の一冊だと思います。
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