よしもとばなな(吉本ばなな)おすすめ作品ランキングTOP7

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よしもとばなな(吉本ばなな)おすすめ作品ランキングTOP7

吉本ばななさんを最初に読んだのはキッチンでした。その吉本ばななさんの女性らしい、美しく詩的な文章と、その独特な世界観に一気に引き込まれていきました。それから全部の本を読みましたがどれも吉本ばななさんの独特な世界が大好きです。よしもとばなな(吉本ばなな)さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.よしもとばなな(吉本ばなな)「ハードボイルド、ハードラック」

よしもとばなな(吉本ばなな)「ハードボイルド、ハードラック」がおすすめの理由

色々な別れが表現されている。挿絵も文章にマッチしていて、いつものように静かに語られる吉本ばななの世界が展開され読者に呼びかける。私にとっては、初読から随分時間が経っていたが、思い出しとても懐かしくあたたかい気持ちになった。とても吉本ばなならしい本だとおもいます。女性が主人公で死が隣り合うお話。ふたつの話があるが、関連はない。ハードボイルドのほうは孤独の身になった主人公が一人旅をして色々なものに出会ってしまう話。ハードラックは結婚を控えていた主人公の姉が不運にも亡くなってしまうなか発展する恋愛話。どちらも話は9割がた暗い内容であるはずなのに終わり良ければ総て良し、みたいな雰囲気があるのが不思議で、吉本ばななさんらしいところだとおもいます。後味が悪いよりは良いとは思う。短くてすぐ読み終わるのもいいかもしれない。

 

 

第6位.よしもとばなな(吉本ばなな)「N.P」

よしもとばなな(吉本ばなな)「N.P」がおすすめの理由

インパクトのある書き出しにイッキ読みしました。何かわからないけど感じるものにつき起こされ、それでも理由を探して見えない何かを追って答えを探していきたいのだが、結局人はわからないまま生きていく。結果はあとから付いてくるのだから正解はない。どこか共感できるところがあると思います。10年ぶりくらいに再読。 吉本ばななさんのこの世界観がとても好きです。 生と死、出会いと別れを美しく描いています。 何度読んでも飽きることない名作です。夏になると読みたくなる作品(まだ少し夏にははやいけど)。物語の内容よりもギラギラしてめまいがするような夏の日差しや空気、暑い中に飲む冷たい飲み物、夏の終わりのキャンプファイヤーの切なさとかそういうものが凝縮していて自分のなかに入ってくるような感覚が強い。夏だったね、本当にその一言につきます。

 

 

第5位.よしもとばなな(吉本ばなな)「白河夜船」

よしもとばなな(吉本ばなな)「白河夜船」がおすすめの理由

3本の中編それぞれに、複雑な恋愛模様とちょっと変わった体質を持った女の子がいて、一見どろどろした、もしくはとても悲しい話かと思いきや、ばななさんらしい救いがちゃんとあって、読後感スッキリ爽やかな気持ちになります。あとがきに、「自分の人生の配分を決めるのは自分だけだ」とあったのが印象的でした。人生の一時期、脱線してお休みしたっていいのです。長い人生から見たらほんのいっときであり、必要な休息は必ずある。それを、1989年に書かれている、現代にこそ必要なことばであるなと感じました。ばななさんの感覚、先見の明は素晴らしい。「白河夜船」って言葉の意味通り、眠りをテーマにした三篇。睡眠、惰眠、そして死を意味する永眠。日常が舞台なんですが、どこか神秘的で良かったですね。どれも良かったけどなー、一番決めるなら「夜と夜の旅人」ですかね。中篇でも読ませる文章構成は流石といったところです。

 

 

第4位.よしもとばなな(吉本ばなな)「もしもし下北沢」

よしもとばなな(吉本ばなな)「もしもし下北沢」がおすすめの理由

大切な人がそばにいる時は満たされているのに、失うことで見える景色は色を失い、バランスが崩れてしまう。それでも、その人がいない世界を生きていかないといけない。突然父を失い残されたよっちゃんと母が、自分の足で立ちあがって歩いて行こうとする。でも悲しみに飲みこまれてしまいそうになる。もう失うことは怖い。健気に頑張りながらも、心の苦悶が伝わり、せつな苦しい気持ちになった。それだけに温かい愛に癒される。誰もが経験するであろう感情が描かれています。よっちゃんがビストロ【レ・リアン】で働く姿が魅力的でした。【船に乗れ!】の作者:藤谷治さんが出てきたのもうれしかった。東京で一番長く住んだ街(下北沢)が舞台だから出てくる景色お店道順なんかが鮮やかに目に浮かび、懐かしさと物語は関係ないのにセンチメンタルになってしまった。

 

 

第3位.よしもとばなな(吉本ばなな)「アムリタ」

よしもとばなな(吉本ばなな)「アムリタ」がおすすめの理由

とても内容が面白かったです。すごく引き込まれて読見終わりました。簡単な文章なのにこれは…!と云うようなフレーズがたくさん出てきます。すべては書き記せないけれど「(憎しみも愛しさも)その振幅がそのままその人を思う心のベクトルの大きさだ」と朔美が悟る一文が心に残りました。よしもとばななも江國香織のように長編の方が上手い作家だと思うけれど、こちらの方が感覚的な描写をきちんと文章にしている気がしました。あと、男性が魅力的と云うかちょっとスピリチュアルなかんじもとても私は好きでした。世界観も漫画っぽい要素もある気がして好きです。下巻も引き続き読んでみたい。ストーリーというより、この本が持ってる空気が吉本ばななさんの独特の雰囲気が出ていて楽しめると思います。読むといつも満たされる。ばらばらで統一されてなくて愛おしい人間観が溢れてて泣きたくなる。

 

 

第2位.よしもとばなな(吉本ばなな)「TUGUMI」

よしもとばなな(吉本ばなな)「TUGUMI」がおすすめの理由

なんて胸に迫る作品なのだろう、描かれた夏の思い出に感傷的にならない読者がいるだろうか。こんなことを安易に言ったら、つぐみにせせら笑われそうだけれど、まずはそう言わざるを得ない。つぐみが語り手ではないのに、彼女の心情や姿がありありとわかるのは、それだけまりあが彼女に惹かれていたからであろう。壮大なエネルギーを持つ美しきつぐみに夢中にならない人はいない。私の中で「つぐみ」という名前は、これから一生美少女の代名詞として刻まれることでしょう。この作者はその場その場の空気を生々しいほど伝えてきてとても上手いなと思った。吉本ばなならしく繊細な文体で、くたばりそうでなかなかくたばらないつぐみが、その繊細さに似合わず乱暴で、そのギャップがほっこりきます。読めば読むほどにとても引き込まれる本になっていると思います。

 

 

第1位.よしもとばなな(吉本ばなな)「キッチン」

よしもとばなな(吉本ばなな)「キッチン」がおすすめの理由

若くして大切な人を亡くした3人を主とした三編が綴られる。耐え難い程の苦悩と孤独に向き合うが、3人とも表に感情を出して発散するのではなく、心の中での激しい葛藤であることに胸が痛みます。死をテーマとした作品を読むと、自分自身がいかに恵まれてきたのかを実感し少し後ろめたく思ってしまう。その引け目は不要なんだろうし、傲慢のようにも思うけれども感じてしまうものは感じてしまうし、どうしたら良いか受け止めきれないようなそんな気持ちになります。「それでも生きていかなければならない」というのがとても印象に残った。同じ境遇な人は背中を押してもらえると思います。表題作、続編、そして別にもう1作の短編3話。テーマは共通して、親しい人を喪って遺された者のその後の日常。人生いつどこに寝ぐらを移すことになるか本当にわからないことも、身近な人の修羅場を1人で乗り越え片付けた者の強さや孤独感も、主人公たちと同じくらい若い頃に読んでいたら理解出来なかったかもしれないが、今ならばよくわかる。どんなに苦しい時でも、幸せな人たちと同じように、同じような物を食べて、日常を続けないとならないリアルさも。いつも展開の派手な作品ばかりだが、たまにはこういう感受性を開く作品も良いです。

 

 

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