伊坂幸太郎おすすめ作品ランキングTOP7

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伊坂幸太郎おすすめ作品ランキングTOP7

伊坂ワールドと言われる、伊坂幸太郎さんの絶妙なキャラクターメイク、なんだかおしゃれなユーモアと会話、よくこんなこと思いつくなぁという伏線の回収とストーリー、胸のすくエンディング、すべてが読んでいてたま
らなく楽しいです。伊坂幸太郎さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.伊坂幸太郎「死神の精度」

伊坂幸太郎「死神の精度」がおすすめの理由

主人公は死神です。短編集のような、連続小説のような。人間に関心のない死神は調査対象となった人間の死の可否を見定めるために7日間の調査に現れます。死神目線の人間観察がとても面白い。死神なのに天然でユーモラス。死神の世界に情報部や調査部があるのが面白いし、その情報部よろしく詳細に全体像を教えないところがまたいいんです。ほとんどの人間が一週間後に死ぬことになるのですが、ジメジメしていなくてほっこりとしたストーリー。ただ、ブティックの店員さんに可を出したところでは納得できなくて、作者を恨むほど憤ったし、かといえば伏線を回収したところでなんとも清々しく心が晴れたり。それぞれの短編のオチも冴えているし、互いの関連という点も秀逸。確か、初めて読んだ伊坂幸太郎さんの本だったような。伊坂さんにハマるキッカケとなった作品です。

 

 

第6位.伊坂幸太郎「重力ピエロ」

伊坂幸太郎「重力ピエロ」がおすすめの理由

みんなが愛情に溢れている、父・母・兄・弟。だが悲劇の家族。この悲劇の原因を、序盤にすぐに明かして物語を展開していくあたり、巧いなぁと思いました。その後語られる仲の良いエピソードの数々が余計に心に刺さります。正直遺伝子の描写は難解で、兄と弟の小粋な会話の掛け合いにも、難しすぎてどうも馴染めない感覚もありつつ。しかし、重いテーマだけど、読了感は悪くないんです。切なくじんわり感動します。泉水と春の兄弟、そして二人を深い信頼で包み込む父と母の最強の家族っぷりに心を打たれました。内容とは別に言葉だけが浮き上がってくるような感覚もありました。なんだか、ハマりきっていなかったパズルがパチっとハマった気がしました。綺麗事だけではなく、自分を信じる強さ、結局それがないと誰かを信じることは出来ないんだなぁと。楽しそうに生きていれば重力なんてなくなる、お前は俺に似て嘘が下手だ、など父の言葉が響きました。括りのない人生観が素晴らしい作品です。

 

 

第5位.伊坂幸太郎「マリアビートル」

伊坂幸太郎「マリアビートル」がおすすめの理由

読み始めたら止まらない、スリルとスピード感溢れる一冊です。読了後、興奮冷めやらず。舞台は東北新幹線。東北に住んでいる自分にはとても親近感のわくところではありますが、新幹線という狭い場所なのにこんなに壮大な物語を繰り広げるなんて!と驚きもしました。しかも時間にして、二時間半。いろんなことが起こりすぎで、本当にハラハラドキドキ。登場人物それぞれの視点に移り変わるけれど、どの視点も楽しめます。伊坂さんの作品に登場する殺し屋は、みんな何処か可愛くて愛着が湧いてしまいます。最後の最後でグッとハッピーエンドに引き寄せるところがやっぱり伊坂さんならではで好きだなぁと。読了感は悪い感じにはしないはず、という信頼があるからこそ買って読もうという気になります。きわめて哲学的に、しかし明快に回答してくれる悪への抵抗は伊坂幸太郎そのもの。分厚いけど一気に読んでしまいました。

 

 

第4位.伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」

伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」がおすすめの理由

読み終えて、思わずやられたと思ってしまった本。伊坂幸太郎入門としてもおすすめです。大学入学から突拍子もない事件に巻き込まれた「僕」と、ペットショップ勤務の「わたし」からなる二つの物語で展開していきます。物語の時系列の序盤に起こったことが終盤で回収されるのはもちろんですが、この本はそれ以外にもあります。時系列的には、「今」起こっていることが、「二年前」で回収されるところが熱いです。思わず好きになってしまうキャラクターがあいも変わらず勢揃い。語られる物語はどこか残酷でだけど温かく、そして物悲しい。人はどうにでも変われるんだということ。伏線回収が見事だけど、それ以上に物語全体に漂う雰囲気が好き。なぜだか伊坂さんの作品を読むと人が好きになる。人間という生き物が愛おしくなってしまう。そしてなぜだか泣きたくなってしまうんです。

 

 

第3位.伊坂幸太郎「ラッシュライフ」

伊坂幸太郎「ラッシュライフ」がおすすめの理由

色々な人生が色々な視点で描かれており、最後に収束するというまさにラッシュライフ。時系列が最後に整理される群像劇です。終わったあとに読み返したくなる見事な伏線。あの人があの時出会ったのはこの人か!の連続。それぞれの視点で描かれていた話が交差することで、少しずつ全体に覆いかぶさっていた霧が晴れていくような感覚になりました。黒沢の考え方にこちらまで考えさせられたり、豊田や河原崎にハラハラさせられたり、この話はどうやって落ち着くんだろうと、まるで大海原を渡る小舟のような気持ちで読んでいたのに、気づけばちゃんと最終地点に降りているという圧巻の展開でした。誰かから誰かへ人生のバトンが渡る。最後にパズルのピースがハマる感覚はやはり伊坂作品ならでは。胸が熱くなりました。伊坂幸太郎ファンにはたまらない、他の作品の登場人物が出てきたりと楽しく読むことができます。

 

 

第2位.伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」

伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」がおすすめの理由

デビュー作とは思えないほど完成された物語だと思います。ミステリーの中にファンタジー要素が散りばめられていて、日常とは離れ、あたかも自分があの島にいるような不思議な感覚になりました。主人公目線での、不思議な町での不思議な人々との日々。こういうストーリーが好きなので、どんどん読み進められました。のんびりとしたおとぎ話のようでありながら、随所で現実世界を皮肉るようなどうしようもなさを感じて夢中で読みました。後半の伏線が次々と回収されていく気持ち良さと、伊坂さんの作品を読んで度々感じる、なんだか胸をしめつけられる感覚がたまりません。言葉の端々に愛がこもったフレーズが散りばめられてました。この島に欠けているものは何か、という小説の核となる問いに、一緒になって考えこんでしまいましたが、まさかそうくるとは。読了後、長い旅を終えて帰ってきたような気持ちになりました。

 

 

第1位.伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」がおすすめの理由

仙台での凱旋パレード中に、首相が暗殺された!闇の組織により犯人にしたてあげられた男が繰り広げる逃亡劇。ケネディ大統領暗殺と犯人とされたオズワルド殺害。公による情報収集をテーマにした物語です。登場人物がとにかく多いのですが、伏線回収がそれだけ壮大。ストーリーも大長編。それでも一気に読んでしまう程面白くて、こんなにハラハラドキドキした作品は他にありません。ミステリー&スリラーな逃亡劇と、間に挟まれる大学時代のエピソードが絶妙なハーモニーで絡み合いながら展開します。様々な登場人物の視点と時間軸から物語が進んでいくのですが、時系列の入れ替えが本当に効果的。人生で大切なのは信頼と習慣。思い切り。序盤の言葉のやりとりが一気に繋がり爽快で美しいラスト。最後はちょっと泣いてしまうくらい、文句なしの最高のミステリーエンタメ!

 

 

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